オリジナル創作プロジェクト『hobby-pj(ホビプロ)』WEBサイト

第2話 悪しき影響【カタルシスレコード】-part1

公開日:2017年08月25日

【カタルシス・レコード】概要に戻る

第2話 悪しき影響(ページリスト)に戻る



 花が咲く春
 暑く日が照りつける夏
 紅葉が彩る秋
 寒く白い雪が降る冬


 そして、『あの出来事』からまた次の春が訪れていた。
 こちらの世界の人達は知る術はないが、今はあちらの世界にいる弥生とアリスの旅立ちの日から二ヶ月ほど時が過ぎていた。


「母さんはまだ目覚めないのか?」

「まだのようですね」


 魔王とカイムは、心なしかげっそりと疲れ切ったような表情で仕事を片付けていた。
 片付けている間にも、城に新しい仕事が増えていくので、減るどころか増える一方だ。


「もう1年過ぎてるぞ。どれだけの魔力をあいつにぶち込んだんだ?」

「確か、魔力のほとんどって言ってましたよね……」

「母さんの魔力は俺よりは少ないけど、並のヤツとはケタ違いだからなぁ」

「そうですね」

「だから、ほとんど使い切っちまうと回復するのに年単位必要なのか……俺も気をつけよう」

「魔王様に何年も寝られたら、私が過労死しかねませんので、ぜひとも気をつけてくださいよ」

「ああ……今回の件で思い知ったよ」


 魔王は、机の上に山になっている仕事の書類を見てため息をついた。
 山のような書類のうち、半数くらいは神子が担当する仕事だ。



 バンッ!



「今はいつ!?」

「母さんが寝てから1年と二ヶ月ほどだ」


 大きな音と共に寝起きなのか、髪の毛がボサボサで寝間着もはだけてしまっている神子が大声で魔王に問いかける。
 それに対し、魔王は冷静に欲しがっているだろう答えを返した。


「そう……1年もかかったのね……」

「神子様、今まで魔力を使い切ったことは?」

「んー……記憶ないわね。使い切るようなことは滅多にないもの」

「確かにな」

「あ。でも2回ほど半年くらい寝たことならあるわ」

「母さんが? いつだよ?」


 信じられないというように目を丸くして魔王は神子に問う。


「ダンリオンを封印した時と、
先代魔王を物理的に消しちゃった時」

「「は?」」


 神子から聞いた衝撃的な事実に魔王とカイムは二人揃って間抜けな声が出てしまった。


悪しき影響part2に続く


TOP