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第2話 悪しき影響【カタルシスレコード】-part4

公開日:2017年08月25日

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「これが……粒子なのでしょうか?」


 急に現れた紫色の淡く薄い光の小さな玉のようなもの。それは多数浮かんでいる。


「おそらくは……私も魔王城から出ていないのでわかりませんが、このようなものは初めて見ます」

「これはヤバそうね……ストラスとカイムの魔力をすぐに回復させるわ! 仕女は逃げていなさい!」

「逃げるって、どこにですか!?」

「えーと……。と、とりあえずストラスの近くにいなさい! 私の魔力で私達の周りだけでも結界張るわ!」

「は、はい!」


 神子は辺りを見渡して、逃げられる場所がないことを悟ると、すぐに魔王とカイムの魔力回復のために詠唱を始めた。

 詠唱を始めた神子の周りは白色に、瞳と髪の色は金色に変わっていた。



 * * *



「なんとかなったな。城の結界も元通りだ」


 復活した魔王とカイムの顔色は先ほどよりも良くなっていた。


「生きた心地がしなかったわよ……」

「私もです」


 神子は少し疲れたような顔で床に座り込んだ。
 神子の髪と瞳の色は元の黒色に戻っている。
 仕女も緊張の糸が切れたのか、その場に座り込んだ。


「危機はひとまず脱しましたかね……」

「カイム、回復したところ悪いが、早速頼む」

「はい」


 詠唱を始めたカイムの周りはオレンジに、髪は金色からライトブルーに。瞳の色は赤色から緑色にそれぞれ変化した。


「場所はわかりました。こちらの世界でいうところの人間界に近いようですが、魔法という概念はないようです。魔法の概念がない分、こちらほどまだ強くは影響が出ていないようです」


 少ししてカイムが説明をする。


「大体の座標はわかるのか?」

「世界が広いので住む地域周辺までしか絞り込めませんでしたが……魔王様に共有しますね」

 カイムが再び詠唱を始める。


「とりあえずそこに……あいつが来たら反応するような思念体を作って送るよ」


 情報を共有した魔王は詠唱を始めた。
 詠唱を始めた魔王の周りが緑色に、瞳と髪の色が銀色へと変わる。


(ついでに俺の魔力と適合する人にも反応するような思念体を一緒に作って送っておくか)


 しばらくした後、魔王の髪と瞳の色は元通りに戻っていた。

「思念体が反応したとき、俺達に知らせた上で一度だけ思念体を通じてリンクできる魔法を仕掛けておいた。後のことは、知らせが来るまで待とう」

「可能であれば、こっちの世界にいる元凶を見つけたいところだけど……この仕事の山をどうにかするのでしばらくは手いっぱいね」

「俺一人じゃ限界があるから、母さんもなんとかしてくれよ」

「わかってるわよ」


 神子はまだ残されている大量の仕事の山を見て、ため息をついた。



 * * *



 激動のあちらの世界。
 そのひと月前のこちらの世界では、一つの動きがあった。


「ここは……どこだ……?」


 彼が目が覚めたとき、周りには彼には見慣れない道具と何かの骨、掘っていたであろう痕跡があった。


作:弓月キリ

第3話(作:雨崎涼葉)に続く

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